あくびしたカーくんが可笑しい「ぱんぱからったほいほい♪」。左上は応援バナー
 2008年9月。チームは想像以上の危機的状況に置かれていた。制作の主力として頑張ってくれていた作り手たちが次々と札幌を離れてしまい、今まで通りの雪像づくりが難しくなってしまったのだ。チーム内ではこの先も雪像を作り続けるかどうか、作り手たちに問いただす事態にまで発展していた。

 この窮地を救おうと、作り手より先に立ち上がってくれたのは「ぷよけっとぱーてぃー」の頃から私たちの活動を応援してくださっている方だった。彼女の呼びかけで「ぷよキャラ雪像応援キャンペーン」が始まったのだ。あっという間に雪像の存在と現状を伝える「応援サイト」が公開され、ご好意で誰でも自由に使える(当時)「応援バナー」も登場。バナーは賛同してくれた多くの「ぷよ・魔導」ファンサイトに掲示されて「ぷよキャラ雪像」の存在を多くの方に知っていただくきっかけを作ってくださった。個人ブログや個人サイトには応援バナーを添えた多くの応援コメントや応援イラストが掲載された。
 こうした「後押し」ともいえる応援が、作り手たちを奮い立たせた。こんなに応援してくれているんだ、中止なんて考えられない。だからと言って人手不足が解消する目処は立たないし、これ以上作り手に無理強いするのも不可能だ。

 ならばこの少人数で臨むしかない。そこでキャラクターは毎年作っていて得意なカーバンクルにした。大きい「どでかばんくる」を1匹だけ、という案もあったが、それじゃ面白く無いだろうといつの間にか大小合わせて5匹まで増殖した。制作の工程もひとつひとつを見直し、無駄な作業を徹底的に省いて、最小限の人員で最大限の作業ができるよう工夫した。

 実際の制作に入ると、多くの「ぷよ・魔導」ファンの方々が現地まで応援にきてくれた。差し入れを持って陣中見舞いしてくれる人は以前からいらっしゃったが、その数が飛躍的に増えたのだ。最終日には手伝いを申し出てくれる方もいらっしゃって、臨時の作り手として仕上げ作業をアシストしてくださった。

 こうして完成した雪像は、懐かしい「魔導音頭」をテーマにしたシンプルなデザインながら、角度によって見えるカーバンクルが変わるなど視覚効果も考えられていた。妥協のない作り込みが訪れた観光客を釘付けにして「ぷよキャラ雪像」10年目にふさわしい作品となった。

シンプルなデザインだからこそ造形はしっかりと。カーくんのルベルクラクは別パーツで表現した。